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こんにちは。
筆者のつたない文章をお読みくださった方へ
また拍手まで下さった心お優しい方へ
感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます。
この、アスカガSS「覚悟の響き」シリーズ最後を飾るのは、
『生きて、護りぬきます。』と言ってのけた、アスランです。
彼はあの時、何を思ってこの言葉を言ったのでしょうか。
そして、彼はカガリが浮かべた、恋する女の子な表情を見ることはできたのでしょうか。
そして、キラ兄様の天罰やいかに!(←おい!
SSの主役が”おまけ”で登場って時点で、
ちょこっとアスランがかわいそうかもしれませんが(笑。
物語は、以下の物語はこちらからをクリックしてお読みください。
これまでお読みくださった全ての方に感謝を込めて、
お1人でもお楽しみいただける方がいらっしゃることを祈って・・・。
xiaocue
【おまけ②アスラン視点】 ~君は今、何を思ってる?~
会議室の扉を蹴破るような音がして、カガリが来たのだと分かった。
それでも、向けられた幕僚長の眼光があまりに鋭く、
俺自身の矜持が、視線を逸らすことを許さなかった。
一歩も引く気は無かった、
カガリを護ると誓ったから。
そのために、俺はあらゆる手段を排除しない。
幕僚長に提示された条件。
“ 死ぬ気で護れ。 ”
以前の俺なら、頷くことができただろう。
カガリを護るためなら、迷わず命を差し出したと思う。
でも、カガリが生きる意味を教えてくれたから、
それは今も俺の中で燈し火のように照らしてくれるから、
だから俺は、自分を曲げることは出来なかった。
『その条件は、のめません。』
曲げればそこで、全てがまるくおさまると分かっていても。
カガリが教えてくれた真実を、否定することは、俺には出来ない。
生きていく事の方が戦いだ、と。
『生きて、護り抜きます。』
結果として、幕僚長の器の大きさに救われた。
『全く、ザラ准将は可愛げが無いっ。』
そう言って、豪快に笑ってくださったお陰で、反対派、賛成派の双方にしこりを残さずに
終えることができた。
『御手柔らかに、お願いします。』
そう返して、俺はさりげなさを装ってカガリへ視線を向けた。
この場はまるく収まったが、終焉と結果をカガリがどう捉えたかは分からない。
だからせめて知りたかった、カガリの表情を。
君は今、何を思ってる?
視線の先で、行き交う影の間から、微かに俯いたカガリが見えた。
どうしたのだろう・・・。
その顔が見たい、出来るなら今すぐ君の元へ駆けて。
しかしそんな事が叶う筈もなく、
カガリの表情は、肩で跳ねた髪に隠されて窺い知ることは出来ない。
やはり、生きて護り抜くなど、傲慢な言葉だっただろうか。
たとえそれが、俺の真実であっても。
不安が視線を惑わせて、何事も無かった事として逸らそうとした時、
カガリが頬に掛かった髪を耳にかけた。
ただそれだけの仕草で色気を振りまくから、平静を装うこちらの心臓が持たない。
が、それ以上に心を揺さぶったのは、
カガリの表情だった。
頬を染め、瞳をほの赤く潤ませて・・・
左手を右手で包み込んで、ぎゅっと胸に押し当てて・・・
――え・・・
鼓動が胸を強く打って、そのまま息が止まったと思った。
開放感に満ちた会議室の音が一瞬で消え去って、色彩さえも抜け落ちて、
ただ、カガリだけがあまりに鮮やかに見えるから、
眩い光にそうするように、俺は瞳を細めた。
と、隣席の少将から肩を叩かれ振り向くと、
穏やかな笑みを貼り付けて頭を下げた。
が、瞳に一瞬で焼きついた、あのカガリの姿が離れない。
何処か儚げで、
思わず抱きしめたくなるような・・・。
もう一度確かめたくて視線を流せば、
そこにはもう俺の見た“カガリ”の姿は無くて、
威厳に満ちた身のこなしで、頭を下げる代表首長がいた。
凛々しく、美しい、姿――
あれは、都合の良い幻だったのだろうか・・・。
そんなことをぼんやりと思っていると、豪快に肩を抱かれた衝撃で我に返った。
「よぅ、ザラ准将。」
衝撃の主は幕僚長で、やはり豪快に笑っている。
「今夜は付き合えよ~、とことん飲むぞっ!!」
「はいっ。」
やはりこの方の器は大きいと、改めて実感させられた。
こうして反対派の筆頭である幕僚長と、
最終的に賛成派のような立ち居地となった俺が打ち解けることは、
即ち両陣営の和解を意味するからだ。
これを契機に、俺は幕僚長に豪快に可愛がられる日々を送ることになるのだが・・・
それはもっと先の話。
髪から滴る水滴がシャツに染込み、
俺は無造作に髪をタオルドライしながら
一気にミネラルウォーターを煽った。
――幕僚長・・・、つわものだ・・・。
自宅に戻れた頃には深夜を回っていた。
父上はこよなくワインを愛する人で、母上は生粋の酒豪だったらしく、
その遺伝子を引く俺も酒に弱い訳ではない。
しかし、あの幕僚長の酒豪っぷりには完敗だった。
――二日酔いで業務に支障が出そうだな。
そこまで思考したが、逆にその方がいいのかもしれないと思い返した。
会議では、俺が幕僚長を論破した形になったが、
酒では幕僚長に完敗であったと、その方が笑いの種になり、場が和むであろうと。
――こうして、もっと沢山の人たちと関係性を築いていけたら・・・
そんな希望を胸に自ずと顔が緩んで・・・、
しかし一気に引き締まった。
「アスラン、起きてる~?」
端末から聴こえてくるキラの声に、俺は空のボトルを握りつぶした。
ハッキングで、人のプライベート回線を勝手に繋ぐなっ!!
俺は冷蔵庫から新たにミネラルウォーターを取り出すと、溜息交じりに親友の名を呼んだ。
「あ、いたいた~♪
ラクス~、アスランやっぱりお酒飲まされてたよ~。」
そんなキラの言葉に、俺は違和感を覚える。
なぜ、“やっぱり”なのか。
まさか・・・。
俺は酔いが回った頭をフル回転させながらデスクについた。
「キラ・・・、やっぱりってどういう・・・。」
「さっきまでね、カガリと話してたんだよ~。」
あっけらかんと笑う親友に、俺は息が止まった。
何・・・、カガリと・・・。
跳ねた心臓がくすぐったくて、ふわふわとした感情が胸を満たす。
カガリは、何と言っていたんだろう・・・。
今日のこと・・・。
あの、表情は・・・、俺の見間違いだったのか・・・。
知りえぬまま終わろうとしていた言葉が次々に溢れ出して制御できない。
「カガリが何て言ってたか、知りたいでしょ~。」
そう言って、悪戯っぽい笑みを浮かべたキラに、俺はもう一つの違和感を抱く。
なんだか目元が朱に染まっているような・・・。
その答えは、隣から優雅な手付きでグラスを差し出したラクスによって判明する。
「キラ、カルアミルクのおかわりですわ。」
こいつら、飲んでるな・・・。
酒に関してラクスはザルであるが、キラは手に負えないほど悪酔いするタイプだ。
よくよく画面を注視すれば、後ろのローテーブルに並ぶ3本のワインは全て空になっている。
話が余計にややこしくなりそうな予感がして、俺はシャワーを浴びたばかりだというのに
背中に嫌な汗を感じた。
時間が晩いことを理由に、一度端末を切ろうか・・・
だが、今日のことをカガリが何と言っていたのか、知りたいというのも本音で・・・
そんな迷いを先読みしたように、キラは朗らかな笑みを浮かべてアスランに告げた。
「カガリね、顔あかくしちゃってね、
目なんか潤んじゃってさぁ、
もう可愛かったんだから。」
ねーっと声をハモらせて微笑みあう画面向こうの2人をよそに、
俺は俄かに頬がほてるのを感じた。
やっぱり、あの時見たカガリの表情は、俺の見間違いなんかじゃなかった・・・
と、結論付けてもいいのだろうか・・・。
急速に喉が渇いて、俺はボトルのキャップを外して喉を潤わせる。
清涼な一筋が体内を貫いて、それでも熱をもてあそぶように熱い息を吐き出した。
どうして・・・、カガリはあんな表情を・・・。
知りたい・・・、
知りたい・・・。
「カガリに・・・、何かあったのか・・・?」
そう問うた声は、動揺を映したように酷く掠れていた。
「カガリがね、今日は大変だったって、言ってたよ。」
あぁ・・・。
あの会議に対して、やはり良い印象は抱かないよな。
音も無く沈みかけた意識は、続くキラの言葉で一気に跳ね上がる。
「それからね、
アスランが格好良かったって~。」
・・・。
え・・・。
・・・。
今、何て言った?
「だーかーらー。
アスランが格好良かったって。
もー、カガリったら耳まであかくなっちゃってさ~。」
多分、
顔が赤いのは、
俺の方だ・・・。
鼓動は痛い程胸を強く打つのに、
その音色は何処かくすぐったくて、
散々幕僚長に飲まされた体は泥のように重いはずなのに、
理由無い浮遊感を覚えて
ボトルを持つ指先がチリチリとこそばゆい。
会議室の行き交う人の影から垣間見たカガリの表情は
きっと、見間違いなんかじゃなかった。
君はあの時、何を思っていた――?
そして君は今、何を思ってる――?
「その時、カガリはこう思ったそうです。」
まるで俺の思考を読んだかのように続けられた言葉は
キラとラクスの声がぴたりと重なっていた。
「「アスランみたく、格好良くなりたいぞっ!」」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
そしてキラの爆笑が、俺の部屋中に響いて、
俺は固まったまま動けず、
その後、延々とキラとラクスにからかわれ続けたのは、言うまでも無い。
* * * * *
【あとがき】
アスランにはちょっとかわいそうですが・・・
カガリなら大真面目に「格好良くなりたいぞっ!!」と言いそうで(笑。
そんなちょこっとズレたカガリと、振り回されるアスランと、
キラとラクスにいじられるアスランと。
格好良いばっかりじゃない、こんなアスランもいいかなと思います。
駄文にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
次回は、物語の続きを真面目に更新いたします。
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お待たせいたしております、Chapter6を数話UPしました。
この数話で、どうしてもアスランに言わせたかったセリフがあります。
『6-15 生きろ』で、キラが自らの命を放棄した時に、アスランが次のようにキラに告げます。
『逃げるな。』
『俺も、共に戦う。』
『だから、生きろ。』
アスランのキラへの説得はこれだけです。
しかし、アスランであるからそこ、キラには心を震わせる程強く響いたことでしょう。
アスランは、カガリに『逃げるな!生きる方が戦いだ!』と言われ、
生きていくという戦いを覚悟し、
しかしその戦いとは、1人では立ち向かえないものであるとDESTINYで知ったと、
筆者は思います。
生きるという果て無き戦いを前に、個人の力はあまりに小さい。
しかし、自分の人生であるのだから、戦うのは自分自身です。
だから、共に戦うのだと。
矮小さに臆せず、見えない果てに怯まず、
潰える希望を見限らず、霞む夢を見失わず、
戦い続けるために。
あなたがそこに居れば、力は無限になるから。
そのことを、アスランはDESTINYで痛いほど思い知ったのではないかな、と。
だから、このセリフはキラが言っても、シンが言っても上滑りしてしまう。
アスランだからこそ、他者へ響くセリフだと思い、書きました。
ぶっちゃけ、筆者が聴きたいという願望が9割です(爆。
さて、セリフ以外にもアスランは大活躍ですね。
筆者のイメージですが、アスランは軍事的、政治的センスに長けていると思います。
ですので、オーブ軍に組して確実に力をつけるのではないか、という未来予想を持っています。
アスランも、そしてオーブも。
今回のお話では、地球連合軍からの攻撃を全て相殺するように応戦していますし
(そのため、地球連合側の被害はゼロという結果を導き出します)
その激戦の中、滞りない通告を繰り返している。
この非の打ち所の無い行動が、Chapter7ではオーブ連合間の協議において有利に動く訳です。
アニメ本編では、アスランは組織と国家のうねりに巻き込まれていくように描かれていました。
しかし、アスランの力が組織を通して国を護り、世界を護っていく、
そのような力の発揮の仕方もアスランは出来るのではないか。
むしろ、アスランの能力と気質、政治的・軍事的センスを考慮すると、
新たな力を発揮するのではないかと、筆者は思っています。
最後にwork musicをご紹介いたします。
flumpoolの『MW ~Dear Mr. & Ms.ピカレスク~』です。
アップテンポな曲調に、ちょっと狂気じみた歌詞が、戦闘シーンにぴったりでした。
曲(youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=CzwJ-B3JpxI
歌詞(歌ネット)
http://www.uta-net.com/user/phplib/view_0.php?ID=81312
さて、次回はChapter6を完結いたしますので、
お時間がある際にでもお読みいただければ幸いです。
こんばんは。
人事異動でばたばたしている筆者です。
いや、筆者は異動しないのですが、
組織が変わるって大変だと、つくづく思います。
今日も元気に残業でしたが、ちびりちびりと執筆しております。
もうすぐChapter8が終了となります。
週末には更新いたしますので、お時間がございましたらご覧下さい。
さて、以下拍手御礼です。
翡翠 様
はじめまして、xiaoxueと申します。
筆者の拙い文章ではございますが、
お読みくださったことに心から感謝申し上げます。
「時に切なく」とは、アスランとカガリのことでしょうか?
アスランとカガリが、世に言う”恋人”となるためには沢山の障壁があります。
そのため、想いを伝え合い、抱きしめあうことはとても難しいと思います。
愛し合っていれば、当たり前にできることであっても。
それでも、2人は互いに深い愛情を抱いていて、強い絆で結ばれていると
筆者は信じています。
そんな2人に幸せな未来が来るように、願わずにはいられません。
そして、翡翠様と同様に、それぞれの登場人物の幸せを願っています。
きっと、アスランとカガリも、
全ての人の幸せを願うのだろうと思います。
いつも自分のことを後回しにして、誰かのために力を尽くす2人ですから。
筆者の物語は捏造ばかりでお見苦しい点も多いかと思いますが、
彼等が前を向いて歩いていけるような結末を描いています。
どうか今後も、お時間がある時にでもお読みいただければ幸いです。
追記を閉じる▲
珍しく英語のタイトルとなりました。
今回のお話は久々にwork musicがございます。
Bank bandの中島美幸のカバー曲、「糸」です。
『逢うべき糸に 出逢えることを
人は仕合わせと 呼びます』
出会いによって結ばれる幸せと、
結ばれたことにより誰かを幸せにできる喜びを
この曲から感じます。
↓ 歌詞(歌ネット)
http://www.uta-net.com/user/phplib/view_1.php?ID=20972
↓ 曲(youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=OGs_Bbzjk5Y
さてさて
以下は毎回恒例の筆者のヒトリゴトです。
やっと、アスランとカガリの創った指輪が出てきました。
筆者が忘れていた訳ではありません(笑。
しかし、どのように扱うか大変迷ったのも事実です。
キラとラクスが再び心を通わせたChapter7あたりで
エピソードを挿入しようか、とか、
ラクスから逆プロポーズも考えました。
もし、この指輪がキラによって外されるだけで
原型を留めたままだったのなら、
キラとラクス2人で愛を確かめ合う流れになったと思います。
ラクスの真実はキラを愛することで、
キラの真実はラクスを愛することです。
そのため、もう一度愛することを誓うことは
キラとラクスの2人だけで満ち足りるはずです。
しかし、この指輪に込められたアスランとカガリの願いを考えると
4人で結婚式を挙げる流れが一番しっくりきました。
離れることの痛みを誰よりも知るアスランとカガリだからこそ、
「ひとつがいの翼のように
何時までも寄り添っていてほしい」という願いは
強く響くことでしょう。
キラとラクスはアスランとカガリの願いを受け止め、
それを誓いとして薬指に刻みます。
その場所には、やはりアスランとカガリの存在が不可欠かな、と考えました。
まるでリングピローのように
アスランとカガリの掌の上に指輪が置かれました。
リングピローには「護る」という意味や
リングを留めるリボンには「絆を結ぶ」という意味があるそうです。
まさにキラとラクスの絆を護ろうとしたアスランとカガリのようだと思い、
また、2人からの祝福の意味も込めて描きました。
共にあり、共に生きることを選んだキラとラクス。
絆を胸に、夢を叶える為に手を離したアスランとカガリ。
想い合うことは同じなのに、かたちは違う。
だからこそ、筆者は彼等の生き方に煌きようなものを感じます。
本当に魅力的な4人です。
こんばんは。
1週間ぶりの更新となりました。
きっと、キラとラクスは、
アスランとカガリが戦争によって引き裂かれていく過程を
一番近くて見ていたからこそ、
アスランとカガリの幸せを切に願っているのではないかと
筆者は思います。
ですから、真実を見つけて戻ってきたアスランとカガリが
もう一度手を離す決断をしたことを知り、
きっと胸を痛めたのではないかと思います。
キラとラクスにとっては、
互いに愛し合うことが真実で、現実で、
でもそれは遍く人にあてはまる真実では無いと
筆者は思います。
愛し合うことが真実であっても、
それを現実として世界で実現できない人も
きっと沢山います。
同じ人間が一人としていないように、
真実とは星の数ほどあるのでしょう。
しかし、真実の形が違っても
正しさや、想いの深さを測ることはできないから
きっとすべて真実なのだと思います。
『アスランとカガリの真実って何?』
そうキラが問いました。
アスランの答えとは何だったのでしょうか。
きっと皆様は、それぞれに
アスランとカガリの真実を想い描いていることと思います。
“きっとアスランなら、こう応えるだろう”、と。
その言葉が、真実として
アスランとカガリを結んでいることを
筆者は願っています。