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今回は番外編でしたが、いかがでしたでしょうか。
カガリが暁で出陣することをめぐって、
賛成派と反対派の論争が巻き起こったらどうなるのかなぁと考え、
浮かんだお話です。
平和になったからこそ起きる論争だと思います。
では、その時アスランはどうするのか。
ムゥであれば、持ち前の人間関係における絶妙なバランス感覚で
飄々と傍観者になるのではいかと。
アスランは、カガリの気持ちを尊重して賛成派へ回りそう・・・
ですが、諸手を挙げて賛成はしないだろうな、と。
何故なら、賛成派も反対派も、
根底にある想いは「カガリを護りたい」という「忠誠心」であると知っているから、
どちらかを否定し、どちらかを擁護することは出来ないのではないか、
それが筆者の読みです。
皆様はどうお考えでしょう?
でも筆者自身本当は、アスランにはカガリ命で頑張っちゃって欲しいという気持ちもあります(笑。
その方が面白いから(爆。
しかし頭の硬い筆者は現実的に妄想してしまい、ちょっとつまらない展開に・・・。
それでも、お楽しみいただけた方が1人でもいらっしゃれば幸いです。
今回のアスランは、マリューも言っていましたが、格好良いです。
『生きて、護り抜きます。』
以前のアスランであれば、『死ぬ気で護れ』といわれれば、
文字通り『死ぬ気』で護ったと思います。
しかし、カガリから『生きること』、
そしてその意味を教えられたアスランだからこそ、
『生きて、護り抜きます。』と言えたのではないでしょうか。
で、この言葉を聴いたカガリは “ 恋する女の子 ” な表情を浮かべたとありましたが、
どんな表情だったのでしょう?
次回、ブログにてカガリ視点をUPする予定ですので、
お時間がございましたら、読んでいただけると幸いです。
最後に、お読みくださいましたこと、本当にありがとうございました。
今回で完結です!!
アスランがカガリのために奮闘します!!
時間軸 : 戦後、オーブ復興中
アスランとカガリの関係 : 代表と准将(ですが・・・!)
結末 : アスランとカガリらしい、ほんのり甘め。
では、以下の『物語はこちらから』をクリックしてお読みください。
(なお、本家の宇宙―sora―の絆の挿入話に位置づけられますが、
そちらを読んでいなくてもお楽しみいただける内容です。)
――ムゥさんは、一体どういうつもりなんだ・・・。
アスランは胸のうちで悪態をつき、
表面上は突き刺さるような視線を静かに受け止めるような表情を浮かべ、
この場を丸く治める論筋を一気に思考していく。
が、算段途中に議長から発言を促され、アスランはその場に起立した。
「確かに、アスハ代表のMS訓練を行ったのは自分です。
状況が、状況でしたから。」
アスランの持つ平静な響きが、紛糾する会議室に涼やかに響き――
結果として反対派、賛成派双方をヒートアップさせていく。
しかし、一方のアスランは双方の熱気をいなすように事実を淡々と告げた。
アスランは知っていたのだ、
烈火のごとく迸る双方の感情とはカガリへの篤い忠誠心であことを。
そうであるならば、どちらを否定してもならないし、どちらかだけを擁護してもいけない。
そうしなければ、結果として哀しむのはカガリ自身だ。
そして、問題の発端となったカガリの発言に現れたカガリの想いも尊重したかった。
それは、准将としてと言うよりは、アスラン個人としての感情だった。
「アスハ代表のセンス及び技能については、
第一次、二次両大戦において収められた功績から判断して、申し分ありません。
フラガ大佐のおっしゃるとおり、我が軍のエースパイロットと同等、もしくはそれ以上かと。」
と、滞りなく述べたアスランは一度言葉を切った。
その隙に質問を投げたのは、反対派の幕僚長だった。
「では、ザラ准将はアスハ代表が戦力になると、そう言いたいのか。」
多分に含意された言葉に、アスランは一拍間を置いて応えた。
「技能だけを取り上げて考えるのであれば、戦力となる腕前であると考えます。」
ザラ准将が賛成派に回ったと、早とちりした輩が騒ぎだし、会議の熱気をさらに煽った。
しかし、続いたアスランの言葉に、会議の空気が微かに揺れる。
「しかし、アスハ代表のお力は、それだけではありません。」
「どういうことかな。」
議長はヒートアップしそうな流れを沈静化するように穏やかに問い、それを引き受けるようにアスランが応えた。
「有事の場合、それもアスハ代表が御自ら暁で出陣される場合とは、
壊滅的な戦況であると想定できます。」
問題の淵源に話を戻すアスランの言葉に、会議室はざわめきだす。
今更何を言い出すのか、と。
「その場合、最も失ってはならないものは"士気"であり、
だからこそ、アスハ代表のお力が必要となります。
代表が、幾度も潰えることのない希望の火を燈して来られた事は、
皆様の方がご存知のことでしょう。」
ムゥは口を突いて出そうになる口笛を飲み込んだ。
アスランが問題を、アスハ代表が暁で戦闘する必要性から、暁で指揮を執る必要性へと摩り替えたからである。
忌々しげに睨みを利かす幕僚長も、アスランの発言の中にある真実を認めているからこそ、
揚げ足を取るような言葉を投げ返しはしなかった。
会議室の空気が変質してきたことを確認すると、アスランは間髪要れずに続けた。
「さらに、議題の前提となる状況を安易に招く程、弱きオーブでないことは、
我々のこれまでの尽力が証明し、そしてこれからも証明し続けるでしょう。
先の大戦で求めた強さではない、真の強さを。」
――やるねぇ。
アスランの意図を読み取ったムゥは、腕を組んだまま片目を閉じてアスランを見遣った。
つまりアスランは、話の前提となる状況そのものが発生する可能性の低さから
会議を続ける意味を問うたのだ。
この場にいる人間の努力が大きければ大きい程、今話し合われている事が現実化する可能性は低下し、
そして彼等の努力を否定する者は居ないと、アスランには分かっていた。
何故なら、真の強きオーブを実現するために誰もが励み続けてきた事を、
その苦しみも辛さも皆で分け合ってきたことを、知っていたからだ。
会議の終焉が見えて、ムゥはやれやれと首筋に手を当て、筋を伸ばした。
アスランの発言を受け、『アスハ代表の出陣は、その必要性がある場合という極めて限定的な状況に限り許可する』と、
反対派と賛成派が合意に至るであろう。
終焉が会議室を包み込もうとしていた。
が、1人だけ食い下がる人物がいた。
反対派の筆頭、幕僚長だ。
「だがな、いかに我々が強きオーブのために力を尽くしても、
抗い難い波にさらされることもあるだろう。」
それは、この2度の大戦が、そしてオーブを形作ってきた長い歴史が物語っている。
「その場合、アスハ代表が暁で戦場に赴き、
喩え兵の士気が上がっても、代表ご自身の命が奪われれば意味が無い。」
幕僚長は、時の重みを感じさせる現実を突きつけ、この場にいる者たちに喚起させる。
落ちる様な浮遊感と、
焦土から薫る戦火と血の匂い、
無限の加速度で広がる絶望を。
もう一度会議が振り出しに戻ったと、空気が重く沈みこんだその時だった。
会議室の扉が蹴破られるように派手に開いて、
振り向けば、息を切らしたアスハ代表がそこにいた。
カガリはこの騒動を引き起こした責任にきつく唇を噛み締め、キサカの元へ駆け、状況を確認しようとした。
が、キサカはカガリの唇が動く前にそれを制し、対峙する幕僚長とアスランの結末を見守った。
キサカに倣うようにカガリが顔を上げれば、
幕僚長は、日本刀のように鋭く光る眼光を真直ぐにアスランに当て、
アスランは、真っ向から灼熱を帯びた眼差しを返していた。
カガリは早鐘を打つような鼓動を抱きしめるように、左手を右手で包み、
胸に押し当てた。
言葉も呼吸さえも遮断する沈黙が、支配する。
「条件がある。」
先に口を開いたのは、幕僚長だった。
その厳格な声は、轟くように低く響いた。
「アスハ代表が、暁でご出陣される場合は、
死ぬ気で護れ。」
反対派の筆頭であった幕僚長が折れたことを示すこの発言に、
会議室の一方で歓声が上がり、他方で譲歩がもたらす特有の溜息が聞こえた。
これでアスハ代表の発言を端緒に勃発した騒動が幕を閉じようとしていると
広がった安堵の空気は、続くアスランの言葉によって覆された。
「その条件をのむことは、出来ません。」
幕僚長は眉間に険しい皺を刻み、
会議室からは驚愕と不快感を示すどよめきが湧き上がった。
アスランは、その空気に靡くことも染まることも無く、
静かに強く、射抜くように言葉を紡いだ。
「生きて、護りぬきます。」
揺ぎ無い覚悟が、響く。
再び会議室は水を打ったように静まり返る。
それを打ち破ったのも、やはり幕僚長で、
豪快な笑い声が室内に響いた。
あっけに取られる他の面々を他所に、幕僚長は荒々しく制帽を取り、髪をぐしゃぐしゃと掻き混ぜた。
「全く、ザラ准将は可愛げが無いっ。」
豪快なユーモアが薫る幕僚長の言葉に、
「御手柔らかに、お願いします。」
眉尻を下げたザラ准将は歳相応の表情を見せ、何処からとも無く拍手が沸き起こった。
そして、スコールの後に広がる青空のように晴れやかな空気が、会議室を満たした――。
マリューはくすくすと笑みを零しながら続けた。
「あの時のカガリさんの表情。」
「まるで、恋する女の子の顔だったな。」
と、ムゥもマリューを映したように柔らかな笑みを浮かべた。
「ときめいちゃうわよ、格好良かったもの、アスラン君。」
「おいおい、俺もステキだっただろ~、
アスランへナイスパスしてさぁ。」
ムゥは、会議の中で話題をアスランへ振った時のことを指しているのであろう、
マリューは悪戯っぽく瞳を細め、
「あら、キラーパスの間違いでしょ?」
ムゥは、一枚上手の愛する妻と笑いあった。
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アスランがカガリのために奮闘します!!
時間軸 : 戦後、オーブ復興中
アスランとカガリの関係 : 代表と准将(ですが・・・!)
結末 : アスランとカガリらしい、ほんのり甘め。
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(なお、本家の宇宙―sora―の絆の挿入話に位置づけられますが、
そちらを読んでいなくてもお楽しみいただける内容です。)
その会議が開かれることになった発端は、何気ないアスハ代表の一言だった。
『いざと言うときは、私も暁で出るからな。』
問題となったのは、この発言が何処で成されたかではなく、もっと本質的なことだった。
アスハ代表の真直ぐな気質を知る者であれば、その言葉が冗談ではないことぐらい分かる。
むしろ、彼女は本気で戦場を駆ける気だ。
有事の場合に、戦場に立つ覚悟があることと、
現実として戦場へ立つことは全く次元が異なる話である。
何故なら、戦場に立てば命を失う危険性、
つまりオーブが代表首長を失う危険性が桁違いに高まるからである。
この発言を、他の首長や軍の上層部が見過ごす筈が無かった。
代表首長をお護りすることが我らの務めであると、
代表首長自らがMSを繰り、戦場を駆けるとは言語道断であると、
代表首長のお力を借りずとも、強きオーブを作り上げているのだと、
彼等の主張はこうだった。
他省庁の官僚までも巻き込み多くの者が、アスハ代表の発言に異を唱える反対派として、この主張に続いた。
政界や軍組織内で覇権を握るものが多かったことも、少なからず影響していたであろう。
一方で、アスハ代表の発言を擁護する賛成派が声をあげた。
だが、代表首長のご意志を尊重すべきとの主張は、少数ゆえに小さく、
それでも確実に、両者の間で摩擦が起こり、やがて火の粉が散る程になっていった。
両者は主張を一歩も譲らないが故に平行線を辿り、
このままでは埒が明かないと、反対派、賛成派はそれぞれ支持者を獲得しようと積極的に働きかけるようになった。
裏返せば、主張の正当性を示し協議していくのではなく、
勢力の大きさ、つまり数で正当性を主張し始めたのである。
ムゥはカガリと共に戦った経験があるということで、反対派、賛成派からそれぞれ陣営に入るように、しつこいほどに声を掛けられていた。
一方は、代表の力量不足から暁を操ることは困難であることを証言するようにと、
他方は、代表は十分な資質と能力を持ち、共に戦うことで奮い立つ士気を証明するようにと。
同様の理由からであろう、ムゥは軍内部でアスランが両陣営に口説かれている場面を多々見かけた。
その時ムゥを驚かせたのは、アスランがポーカーフェイスを保ったまま
賛成派、反対派どちらへも加わらず中立を貫いたことである。
アスランのことである、当然カガリの肩を持ち賛成派へ加わるであろう筈なのに・・・。
――アスランとしての意見と、准将としての判断は異なるって訳か・・・?
反対派、賛成派の双方にとっては、オーブが誇るMSパイロットの証言を得ることができず、
現実的な根拠を先送りにしたまま、感情が先行した小競り合いが至る所で繰り返され、
――そして今に至る・・・か。
最初に言い出したのは誰であろうか、この会議で最後の決着をつけると。
文字通り紛糾する会議室の隅で、ムゥはイスの背もたれに寄りかかり天井を仰ぎ見た。
この場にカガリがいないことがせめてもの救いで、
もし彼女が居れば、会議はさらに感情的なものへと変質したであろう。
ふいに漏れそうになる溜息を、口元を引き締め押し込め、
それとなく辺りを見回せば、反対派の幕僚長が表情を微かに上気させていた。
議事録だけ読めばさぞ理性的な発言であっても、今耳にする幕僚長の声は、抑えきれぬ感情が溢れんばかりに込められていた。
アスハ代表の御身を危険に晒す訳にはゆかぬ、と。
賛成派はすかさず幕僚長に反論をする。
アスハ代表の御意志を無視して御身だけをお護りすることが、我々の務めであろうかと。
そうでは無いはずだと。
この文官の発言は、反対派の大将によって一蹴される。
現実を知らん者は、理想論を語ると。
――いつまで続くんだ、これ・・・。
ムゥは瞼を閉じて、思わず漏れた溜息を打ち消すように慌てて頭を振った。
会議室の中央に鎮座するキサカ総帥は、厳格に口元を引き締めている。
何も発言しないことから、事の成り行きを見守ることに徹しているのであろう。
――代表首長を護りたいって気持ちは同じなのに、
なーんでこう、面倒なことになるかなぁ~。
「フラガ大佐はどう思われるのかね。」
突然質問が振られ、内容を全く聞いていなかったムゥはとりあえず起立し、
落ち着き払った完璧な笑みを浮かべて切り返した。
「と、言いますと。」
「アスハ代表のMSの技能について、だ。」
と、中立的立場で議長を務める将官が言葉を加え、ムゥは意見を述べた。
「そうですねぇ。
センスにおいてはスバ抜けていると考えます。
数回のシュミレーションで、完璧に実戦をこなしましたから。
技術においては、現在のエースパイロットであるアンリ・ファウステン中尉と競ると考えます。」
誰の耳にも率直に響くムゥの言葉は俄かにざわめきを呼んだ。
「まぁ、訓練の教官が良かったからじゃ無いかと。」
そのムゥの発言に、微かにアスランの瞳が見開かれる。
ムゥはアスランから向けられた鋭い視線を一切無視して、
「ほぅ、その教官とは誰かね。」
何も知らない議長からの質問に、あっさりと爆弾を落とした。
「ザラ准将ですよ。」
会議室内の注目が一斉にアスランへ集中し、ムゥは微かに口角を上げた。
これまで中立と沈黙を貫いてきたアスランの本音を引きずり出してやろう、それはムゥの悪戯心。
――さぁ、どう出るザラ准将。
まるで実況中継するアナウンサーのように胸の内で呟いて、
ムゥは上がりっぱなしの口角を隠すため、思案する振りをして口元に手を当てた。
②へ続く・・・
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今回は賑やかな展開となりました。
今回一番の台詞はこれだと思います。
――“意外と”は余計だし、
何も“悪く”ないっ!! (BYアスラン)
『むしろ・・・』なんて考えてませんか、アスランさん(笑。
今回のお話の中でカガリが、“(身体の)サイズはラクスと一緒だぞ”と呟いていますが、
そうだったら楽しそうだなぁと思います。
だって、ラクスがカガリのための服を選びやすくなるから(笑。
ラクスは人を喜ばせることが大好きだと思いますし、
お友達と一緒におしゃれを楽しみたいという年頃の乙女らしい想いも抱いていると思います。
で、お友達のカガリは自分の魅力に何処までも鈍いときたら、
そりゃ、ラクスの魂が疼きますよ。
「わたくしが、カガリを極上のモテ子さんにしてみせますわ~!!」
(↑ここ数年、小学生に流行しているらしい、めちゃモテ委員○みたいな)
なんて冗談ですが、
それでも、カガリがプライベートの時間を投げ打って政務に明け暮れていることを知ったら、
ラクスなら気をきかせたステキな服をプレゼントしそうです。
カガリが恥ずかしがっても頑張って着ることが出来る、微妙なラインをついて。
そんな事をさりげなく出来てしまうでしょう、ラクスなら。
そして、何処かでこう願っているのではないでしょうか。
“ 年頃の女の子であれば誰でも抱く当たり前の感情を、忘れないでくださいな。 ”
さて、そのラクスが今回最後に登場しました。
本当は登場させるつもりは無かったのですが、
後で彼等に怨まれそうで(笑。
何を真実と信じるのか、その行為は自分ひとりで行わなければならないものですが、
それでも真実の傍には大切な人がいてほしいと思う。
それは自然な感情だから、叶えたくなってしまいました。
そのため、全責任を産休中のマリューに負わせて(笑
ラクスを登場させました。
こんな風に多少のリスクを負ってでも、
相手のために気遣いできる大人になりたいものです。
こんにちは。
ラクスの清らかさは、生得的なものではなく、
清らかであり続ける強さを、ラクス自身が持っているからだと、
筆者は思います。
とても美しいと思います。
筆者は、ラクスはアスランとの間でしか
子どもを授かることはできない
との設定にいたしました。
この設定の上で、ラクスははたして子どもを望むでしょうか?
筆者は、ラクスであれば自分の身体の限界を受け止め
キラとの間に子どもを授からなければ
それ以上を望まないのではないかと考えます。
今回のお話の中で、ラクスは次のように言っています。
『わたくしの一番の幸せは、
キラと共にあることですわ。
それが、わたくしの全てなのです。』
心から、そう言い切るのではないかと
筆者は思います。
ラクスは本当に強い女性です。
筆者の物語の中では
プラント国民は運命を委ねるように
ラクスを妄信しています。
しかし、ラクスはその強さ故に
他者と共感できない場面が多いのではないでしょうか。
例えば、先程のラクスの台詞をプラントの女性が聴いたら
ラクスに部分的には共感できても
“同じ”にはなれないでしょう。
「ラクス様のおっしゃることは分かります。
でも、それはラクス様がお強いから言えるのでしょう。
私は、子どもを諦めることは、どうしても出来ない。」
その様に、思うのではないでしょうか。
だから、デスティニープランはプラント国民に支持されたのではないでしょうか。
プラント国民は未来が閉ざされていく閉塞感と焦燥感に苦しみ、
何ものにも縛られない自由を差し出すかわりに
未来を得ようとしたのではないでしょうか。
その切実なプラント国民の想いに
ラクスは、哀しみは抱いても
共感はできないでしょう。
何故なら、
『わたくしの一番の幸せは、
キラと共にあることですわ。
それが、わたくしの全てなのです。』
そう、心から言いきれるからです。
ラクスはデスティニープランを武力で否定しました。
(対話するために奔走したカガリとは正反対の方法になったことは
ラクスにとって不本意だったでしょうが。)
しかし、武力でおさめられることは戦争だけであり
プラント国民の思想までを破壊し再生することは出来ません。
それは歴史が物語るとおりです。
そのため、筆者の物語の中では、
デスティニープランに縋ったプラント国民は
今度はラクスに縋っています。
ラクスの本当の戦いは、
プラントの最高権力者に就任してからだと
筆者は思います。
DUNDAM SEED DESTINYのスペシャルエディッションの最後に描かれた
ラクスとカガリがそれぞれ議場へ向かうシーン。
ラクスが歩いた道には
まるで彼女の全てを受け入れるように
理路整然と並んだ官僚(でしょうか?)が頭を下げていました。
一方、カガリが歩いた道は
様々な人々が入り混じり意見が飛び交いそうな雰囲気がありました。
一見、ラクスはカリスマ性と類まれな政治力により
政界に受け入れられたように、
カガリは政治的に未成熟ゆえにまとめきれていない、
そのように見えるかもしれません。
しかし、ひねくれ者の筆者には、
ラクスを迎える様子に、プラント国民の妄信を感じ、
大変皮肉に感じました。
一方カガリの方こそ、政界に受け入れられているように感じました。
何故なら、世界とは
沢山の人の手で
沢山の対話を重ねて
創りあげていくものだと思うからです。
その創り上げる行為こそ、政治であると思うからです。
たった一人の救世主が舞い降りて、
平和が実現するのならば、
人がすべきことは
唯一つ。
待つことだけになってしまう。
そんな筈は無い、絶対に。
以上のような、大変ひねくれた考えを持つ筆者は、
この物語の中でラクスに課題を科しています。
それでも強く生き抜く姿にこそ、
ラクスの魅力があるのだと思いますから。


